発掘調査の流れ

発掘調査の進め方

当社は、安全かつ確実な埋蔵文化財の発掘調査をおこなっております。

◎開発事業の前にどうすればよいか?
◎文化財保護法とは?
◎調査費・期間は?

など、埋蔵文化財発掘調査の計画や各種手続き等、豊富な実績により適切なご提案が可能です。


発掘調査全体の流れ

現場作業

表土掘削

発掘調査対象となる区域の表土をバックホウなどを使って遺跡のある深さまで掘削します。この時、熟練したオペレーターでないと遺跡を傷つけ、その後の調査に悪影響を与えることもあります。当社に在籍する数多くの熟練オペレーターのように細心の注意と技術が必要です。

 

遺構検出・掘削

土の中には遺物と呼ばれる土器や石器、木製品などが埋もれているため、手作業で丁寧に取り上げ、写真撮影や図面作成をおこない記録します。同時に、遺構と呼ばれる建物跡や住居跡、溝といった人間の手が加わった建造物などの跡や生活の痕跡などが少しずつ明らかになります。

 

記録作業

掘りあがった遺構の一つ一つを、測量機器を使って計測し、図面化する作業をおこないます。遺構を上から見た図(平面図)や、横から見た図(断面図)を作成し、3次元の正確な遺跡全体の様子を記録していきます。出来上がった図面はデジタル化され、精度の高い遺跡の情報を提供します。

 

空中写真・測量

遺跡の調査区全体を記録するために、クレーン・ラジコンヘリコプター等を使って上空から写真撮影や測量をおこないます。ラジコンヘリコプターにはカメラが装備され、地上からの遠隔操作で最適なアングルで撮影や測量をおこないます。時には本物のヘリコプターやセスナを使って撮影をすることもあります。

整理作業

遺物洗浄

発掘中に見つかった遺物は、土や泥だらけです。遺物には墨で書かれた文字や米粒の付着など、当時の様子を示す貴重な情報が隠れていることがあります。手作業で一つ一つ、丁寧に洗浄しながら小さな情報も見落とさないように作業を進めます。

 

注記

洗浄によりきれいになった遺物を、一つ一つにどこから出土したのかの情報を記していきます。最新の注記マシンにより迅速かつ正確な注記をおこないます。これにより、小さな破片も識別できます。
機械で対応できない遺物は手作業でおこないます。

 

遺物復元

遺物の多くは破片の状態で見つかります。この破片の中から同じ個体と思われるものを探して接合していきます。遺物の保存状態が悪いものや、接合する破片が不足した場合は、石膏などで補填をおこないます。経験とともに根気のいる作業ですが、この段階での頑張りが、貴重な資料の復元につながります。

 

遺物実測・デジタルトレース

復元した遺物は、図面を作成するために計測します。この作業は、図面上に遺物を再現するだけではなく、遺物がどのように作られたか、どのような種類のものかが分かるような図にしなければなりません。遺物の特徴を見極め、正確な図化をおこなう熟練度が必要な作業です。
出来上がった実測図を元に幅広い利用が可能なデジタルデータのトレース図を作成します。

 

遺物写真撮影

遺跡から出土した遺物を写真撮影し記録保存していきます。
色、形を正確に写すため1点1点丁寧に調光や角度を変え撮影していきます。

 

報告書作成

最後に遺跡調査の記録をまとめた報告書を作成します。考古学の専門知識を持った職員がこの作業をおこないます。過去に発掘された遺跡の資料を比較検討し、発掘調査で得られた様々なデータや科学分析結果を織り交ぜながら編集します。この報告書の刊行で、今回の調査の記録を研究者や市民の皆様に広く発表することになります。