広島県三次市「宗祐池東古墳」の現地説明会 開催報告
2024年12月7日に広島県三次市にて「宗祐池東古墳」の現地説明会が開催されました。 今回の調査は、道路建設工事に伴う記録保存調査で、宗祐池東古墳は直径約14mの円墳であり、周溝が墳丘周囲に巡らされていることが分かりました。墳丘内からは、埋葬施設として、竪穴式石槨1基・箱式石棺5基の計6基が検出されています。 出土遺物としては、竪穴式石槨は調査中のため詳細不明で、箱式石棺からは副葬品の出土はなく、墳丘上・周溝内からは銅鏡・土師器片が出土しています。築造時期は、調査中のため検討中ですが、古墳時代前期でも古い段階と推定されます。墳丘は古墳時代の円形墳丘である一方で、埋葬施設は弥生時代の集団墓的な多数埋葬であり、弥生時代から古墳時代への過渡期を示す古墳です。約4,000基もの古墳が分布する三次地域でも、この時期の古墳は明らかでなかったため、地方への古墳文化の波及を考えるうえで大きな成果となりました。