竹迫城跡惣構え跡発掘調査現地説明会 開催報告
竹迫城跡惣構え跡発掘調査現地説明会が開催されました。
今回公開されたのは惣構えの一部ですが。いや……正直、びっくりです。惣構えの全長は約5.5km。町や田畑までも丸ごと囲い込むこれほど大規模な堀が存在していたとは、想像以上でした。幅約10m・深さ約5mの空堀と高さ2.5mの巨大な土塁は、もはや溝というより人工の崖。目の前に立つと『これはまさに要塞だ』と実感できます!!
説明会チラシの地図を見ると、集落全体がぐるりと防御線に包み込まれており、城だけでなく、地域そのもの、を守ろうとした壮大な構想だったことがよく分かりました。築いたのは合志氏(あるいはそれに連なる勢力とも)とされますが、この規模を実行した動員力にはただただ圧倒されます。このような惣構えは全国的にも例が少なく、総延長約9kmの総構をもつ小田原城、城下町を囲郭した伏見城、そして都市全体を土塁で囲んだ京都市の御土居などと並び評価される貴重な遺構です。九州でこれほどの規模をもつ事例はきわめて稀で、竹迫城の歴史的価値の高さを改めて実感しました。現代人の感覚では気が遠くなるような土木量ですが、これらの遺構群は、戦国期の人々が生命と財産、そして生活の場を守るために総力を挙げて築いた「最後の防衛線」そのものです。地形として残るその迫力は、当時の必死さと覚悟を雄弁に物語っていました。
なお、弊社も本調査の発掘・記録作業をお手伝いし、この大規模防御施設の構造や築造技術を具体的に示す良好な資料を得ることができ、大きな成果となりました。現地に立って初めて分かるスケールと重みを、多くの方に共有できた1日でした。


